遺品整理専門業者より不用品回収業者のほうが安い?遺品整理の現場の実態!
故人の遺品整理を業者に依頼しようと検討している人の中には、専門業者よりも不用品回収業者の方が費用を安く抑えられるという情報を目にする方も少なくありません。では遺品整理専門業者と不用品回収業者では具体的に何が違うのでしょうか。本記事では、後悔しない遺品整理の外部業者への任せ方について解説していきます。
遺品整理と不用品回収は全く異なるサービス
まず大前提として、遺品整理と不用品回収は全く異なるサービスになっています。その中でも最も大きな違いは「形見分け」を行うかどうかという点です。遺品整理の場合は、故人が所有していた物を整理する中で「何を処分して何を残すか」「どのように整理を行っていくか」という基準や手順について、相続人または遺族に確認を取りながら作業を進めていきます。
さらに相続人の間で形見分けの方法や誰が何をどう受け取るかを決める「分割協議」の内容や遺言書の指定に沿って、ノート一冊から写真一枚に至るまで、字のごとく「遺品を整理していく」ことが遺品整理というわけです。特に相続人が複数名いるような場合には、勝手に遺品の整理を行うと後で大きなトラブルや親族関係の悪化につながることもあるため、必ず相続人同士での話し合いが必要不可欠になります。
不用品回収では「遺品の整理」は行われない
一方で不用品回収の場合は、故人が所有していた物は基本的に全て「不用品」と見なした上で作業が進められます。特に遺族に確認をとったり丁寧に時間をかけて分別したりせず、処分に費用のかかる物、かからない物を素早く区別しながら回収作業のみを行っていくのが特徴です。つまり不用品回収業者は遺品を整理するわけではないのです。
それゆえに不用品回収業者に対して遺品の整理を期待して作業依頼をしてしまうと、遺族にとって大切な形見や価値あるものが一方的に処分されてしまうという事態になりかねません。
サービス内容を考えると遺品整理業者を選んだほうが良い?
確かに費用の面だけを考えると、遺品整理業者よりも不用品回収業者に依頼した方が出費を安く済ませることができる場合が多いかもしれません。しかしながら遺品整理を安易に不用品回収業者に任せてしまうと、後で様々なトラブルや後悔を抱えることになってしまう恐れがあるため注意が必要です。では具体的にどのようなトラブルが起こりうるのでしょうか。
不用品回収業者とのトラブル事例
特に多いトラブルの一つには、故人の大切な遺品を雑に扱われたというケースが挙げられます。まるで不要な物を処分するかのように目の前で遺品を乱暴に扱われれば、遺族なら誰だっていい気持ちはしないものです。しかし不用品回収業者にとってみれば、単に不用品の回収を依頼されているという認識であるために、どうしても依頼者との間に認識のズレが生じてしまいやすくなります。
またそれだけではなく、遺品が後に無断で転売されていたという事例もあります。特に故人が愛用していた物であるほど、遺族側からすれば丁寧に処分してもらいたいという気持ちは強いものです。ただ不用品回収業者の場合は遺品整理の専門業者とは異なり、多くは回収した物を売却することで利益を上げています。そのため故人の思いを大切にしながら丁寧に遺品整理を行ってもらいたい場合には、きちんと遺品整理専門業者に依頼をした方が賢明です。
遺品整理をするなら専門業者に依頼しよう!
多くの方は遺品を整理するだけなら、わざわざ専門業者に依頼をせずとも個人でできると思われるかもしれません。ただ整理したい遺品が数多くあったり複数カ所に分散していたりする場合、どこから手を付ければいいのか分からず、結局なかなか作業が進まないなんてこともよくあるものです。
そのような時にも遺品整理専門業者は片づけの進め方はもちろん、故人の形見になりそうなものの選別から遺品のお焚き上げまで、家族と一緒に遺品整理のお手伝いしてくれます。また専門業者に依頼した方が心強いことの一つに、故人の資産となる貴重品を見つけ出してくれる点があります。
貴重品の捜索は個人では難しいケースも
遺品整理をする上では、数ある遺品の中から故人の貴重品をきちんと探索することが非常に重要になります。ここで言う貴重品とは、宝飾品や骨董品、通帳、権利書などの資産価値があるもののことです。こうした貴重品は、そのほとんどを遺族の方で発見することができますが、故人によっては非常に見つけにくい場所に隠している場合もあります。
たとえばクローゼットや押し入れなどの天井裏だったり、トイレタンクの中や配管の裏だったりなどです。普通の人なら見落としてしまいそうなところにある貴重品も、遺品整理専門業者は経験則を元に一つずつ丁寧に探索をしてくれます。特に貴重品は形見分けだけでなく、相続税を申告する上でも重要になってくるため、後から見つかって親族や税務署とトラブルにならないよう、きちんとプロの力を借りたいところでもあります。
遺品整理と不用品回収は、似て非なる全く異なるサービスです。故人の残した大事な遺品を思い出とともに丁寧に整理していく上でも、安易に不用品回収業者に依頼する前に、相続人や遺族の間でしっかりと遺品整理の進め方を話し合っておくことが大切になります。そして分からない点や不安なことがあれば、遺品整理専門業者の力を頼りながら後悔のない遺品整理を行っていきましょう。