遺品整理の現場で起こりがち?故人が飼っていたペットは誰が引き取る?
身内が亡くなると、故人の財産や所有物は相続により配偶者や子どもが引き取ることになります。しかし、故人のペットは誰が引き取るべきか、対応が分からずに悩んでしまう人も多いでしょう。今回は、故人のペットの引き取り先、飼い手探しの具体的な方法について詳しく解説します。遺品整理に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
相続人は誰?故人のペットは誰が引き取るのか
ペットを飼っている人が亡くなった場合、ペットは誰が引き取ることになるのでしょうか?ここでは、故人のペットの引き取り手について詳しく解説します。
故人のペットを引き取るのは相続人
故人の資産や持ち物は相続人が引き取ることになりますが、法律上はペットも相続の対象に含まれます。つまり、故人のペットは配偶者や子どもなどの相続人が引き取るのが一般的です。
相続放棄した場合はどうなる?
故人が多額の負債を抱えている場合などは、相続により親族が負債を支払う義務を負うことになります。ただし、相続放棄の制度により、故人の一切の財産や負債を相続しないという選択も可能です。では、多額の負債を抱えている故人がペットを飼っている場合はどうなるのかというと、基本的に相続放棄は一切の財産や負債を負わないものであるため、制度に則れば「負債を負わない=ペットも引き取れない」ということになります。
しかし、実際にはペットを引き取ったり飼い手を探したりしても相続を承認したとはみなされず、そのほかの財産や負債については問題なく放棄できるケースが多いです。ペットが絡む相続放棄については専門家ごとに意見が異なる場合もあるため、自己判断で行動せず、まずは弁護士などに相談するのがよいでしょう。
故人のペットを引き取るのが難しい場合
動物のアレルギーがある・ペット不可の物件に住んでいるなどの理由により、相続人が故人のペットを引き取るのが難しいケースもあるでしょう。故人のペットを引き取れない場合の対処法は、以下のとおりです。
知り合いの中から引き取り手を探す
まずは知り合いや相続人以外の親族に声をかけて、ペットの引き取り手を探しましょう。知り合いや親族であれば相手の身元・性格なども充分に分かっているため、ペットを安心して引き渡すことが可能です。自身のSNSなどを使い、信頼できる知り合いへの限定公開などで飼い手募集の呼びかけをするという方法もおすすめします。
里親探しの専用サイトを活用する
最近では、ペットの里親探しの専用サイトが数多く開設されています。里親募集には登録が必要ですが、複雑な手続きは不要で、簡単な個人情報の登録とペットの写真を設定するのみで利用可能です。里親探しのサイトは基本的に利用料がかからないため、コストをかけずにすぐに利用できるというメリットがあります。
ペット専用の施設に預ける
故人のペットが高齢である場合、老犬・老猫専用の施設に預けることも選択肢のひとつです。終身でお世話してもらえる施設もありますが、施設利用料は年間数十万円〜と決して安くありません。また、ペットが高齢でない場合はそもそも施設に預けられず、1か月・2か月など期間を決めての受け入れとなるケースも少なくないので、よく検討してから利用しましょう。
地域の動物園に問い合わせる
ペットの種類によっては、ふれあい型の動物園などで引き取ってもらえる場合もあります。ただし、対象となる動物の種類はあまり多くなく、すでに飼育数が多ければ新たな引き取りには対応していない可能性もあるため注意してください。まずは動物園に問い合わせて、ペットの種類や引き取ってほしい旨を伝えてみましょう。動物園によっては無料にて引き取ってもらえるケースもあります。
動物愛護団体に問い合わせる
どうしても飼い手・引き取り手が見つからなかった場合の最終手段として、動物愛護団体に問い合わせるのもひとつの方法です。動物愛護団体自体がペットを引き取ることは難しいケースもありますが、里親探しをサポートしてもらえる可能性もあります。
遺されたペットの幸せを考えよう!
ペットは故人にとって大切な家族です。遺されたペットの幸せのためにも、飼い手を探す際は以下の点に注意してください。
引き取り手を早めに探す
親族が亡くなると、お通夜とお葬式の準備、お墓や仏壇の手配など、遺された家族はしなければならないことが数多くあります。ついついペットへの対応を後回しにしてしまいがちですが、忙しさからお世話がままならず、ペットの衰弱が進んでしまうケースも珍しくありません。可能な限り早く安定した環境に身を置けるよう、飼い手探しにはすぐに取り組んであげてください。
故人の遺言があればペットについての文言を探す
遺言やエンディングノートなどがある場合は、ペットの引き取り先やペットのための貯金などについて記載があるかどうかを確認しましょう。遺言があれば飼い手が見つかるのを待たずに次の飼い主の元へ引き渡せるため、ペットが不安定になるのを防げます。
ペットの名前や種類、病歴などを確認する
ペットの名前や種類、病歴、性別、避妊手術の有無などが分かれば、里親探しにも役立ちます。故人から生前聞いていた話や遺品の書類などから分かる情報をまとめておきましょう。
まとめ
今回は、ペットを飼っている身内が亡くなった際のペットの引き取り手は誰か、また、引き取れない場合の対処法について詳しく解説しました。ペットは法律上、相続の対象物として扱われるため、基本的には配偶者や子どもなどの相続人が引き取ることになります。アレルギーなどで引き取ることが難しい場合は、知り合いに呼びかけたり、里親探しのサイトを利用したりすることで飼い手を見つけましょう。ペットの幸せを第一に考えて、できる限り早めに安定した環境を提供してあげてください。